Jeszcze Polska nie zginęła!

28/10/2017(Warsaw)
「ドンブロフスキのマズルカ」の名で知られているポーランド国歌ですが、1番の歌詞に「進め進めドンブロフスキ、イタリアの地からポーランドへ、汝の指揮下に、同胞と一つにならん」という件があります。なぜイタリアなのかという答えは、ワルシャワ市内の至る所で見つけることができます。高校の世界史で学んだとおり、ポーランドは3回にわたる国土分割(プロイセン・ロシア・オーストリアに譲渡)により、1世紀以上に及ぶ国家消滅の歴史を持ちます。ポーランドを併合した三国に対峙したのがナポレオン・ボナパルトが率いるフランスでした。ジャック=ルイ・ダヴィッドの描いた『ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト』が後世まで語り継いだフランス軍のイタリア侵攻ですが、そこで多くのポーランド軍隊がオーストリア軍からナポレオンのもとに投降しました。精鋭で知られていたポーランド軍団はフランス軍の部隊を任されることになり、ドンブロフスキの友人でもあったユゼフ・ヴィビツキ中尉が作詞したものが「イタリアのポーランド軍団の歌」として歌われるようになりました。ナポレオンの勢いは東に向けられ、プロイセンとの戦いで勝利したフランス軍はポズナンに入り、1807年の講和によってワルシャワ公国が誕生。ポーランド人にとっては久しぶりの主権回復となりました。しかし、ポーランドを足がかりにしたロシア遠征に失敗したナポレオンは、敗戦に次ぐ敗戦で帝位を失脚して、エルバ島に流されたことでフランスの帝政は中断。ナポレオンと運命を共にしたポーランドは、フランスと明暗を分かつ形で、再び国家消滅を道に至ります。各国に散らばったポーランド人は歴史に翻弄される形で、お互いが剣を交えなければならなかった苦悩の歴史を背負っています。そして再生の機運のたび、悲劇が襲いかかる物語の連続です。しかし、ささやかな期間だったワルシャワ公国で歌われ続けたのが「ドンブロフスキのマズルカ」だったという史実は、ポーランドの歴史を象徴的に物語っているように感じられます。歴史の試練に鍛えられた不屈の国民性です。今日のポーランドは、世界的な恐慌が相次いだにも関わらず、プラス成長を続けていますが、このことにも様々な歴史的背景が垣間見えます。私は今回の滞在を通して、ワルシャワで多くのことを見聞しました。そしていつも思うことですが、日本人がヨーロッパで仕事をするのに最も必要なものは、相手をよく理解することです。経済力ではなく歴史的知見です。哲学や思想をはじめユーモアや品格もそこから派生されるものだからです。国の尊厳や企業の価値を毀損しない働きとは何でしょう。志を共にする皆で考えていきたいことです。

 
 
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Chopin and Liszt at Park Łazienki

26/10/2017(Warsaw)
フランツ・リストがショパンの評伝を書いたのは、彼が亡くなったわずか3年後のことでした。これは単なる友情の書ではなく、ショパンとリストの精神的な強い結びつきを表しているもので、それぞれの母国が難しい道のりを歩んでいる中で、新しい時代を切り拓いていった芸術家どうしの尊敬と信頼が主題になっているように思います。そしてそのことをワジェンキ公園でも見ることができました。ショパンの存在には必ずリストが立ち会います。その尊い関係を未来まで伝えようとしたワルシャワの人たちを感じ、私はポーランドに心から敬意を抱きました。

 
 
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Muzeum Fryderyka Chopina w Warszawie

25/10/2017(Warsaw)
ワルシャワのショパン博物館には、ショパンの枕元に飾られていた押し花が展示されています。彼がパリのヴァンドーム広場12番地で帰らぬ人となった時、ショパンの後継者ともいわれたマルツェリーナ・チャルトスカがそこにいました。彼女はマドレーヌ寺院の葬儀で使われた花を押し花にして、終生大切にしていたと伝えられているので、ひょっとしたらこの押し花も彼女の手によるものかもしれません。留学地のパリで初めての新年を迎えるにあたり、私はセーヌ川に上がる花火をできるだけ近くで見たいと思い立ち、息を切らしながらたどり着いた先がヴァンドーム広場でした。パリジャンがするようにシャンパンを抜いて新年を祝いたかったのですが、持ち合わせのほとんどない私には青島ビールの缶が精いっぱいでした。それでもショパンが息を引き取った12番地の入口で、ショパンを感じながら希望のイルミネーションを見たことは一生の宝になりました。お金も将来のあてもなく、パリで辛い日々を過ごしていた異邦人にとって、ショパンは大きな心の支えでした。

 
 
 
 
 
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Staying at Warsaw

24/10/2017(Warsaw)
17年ぶりのワルシャワ。といっても初訪問に近く、前回はワレリー・ゲルギエフが主宰するサンクトペテルブルク夏の国際音楽祭に出演した後、トランジットで1泊したのみ。ポーランドの歴史を改めて読み直してみると、中世から連綿と続く複雑な事情を孕んだ大国ポーランドの変貌と凋落は、アダム・ミッケヴィッチやフレデリック・ショパンのロマン主義と決して無関係ではないということが分かります。今回も滞欧中は過密なスケジュールながら、ワルシャワでの見聞を満喫したいです。

 
 
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Dubai (UAE) Now

24/10/2017(Dubai)
シェヘラザードの語りに誘われるかのように、いくつもの夢を見ながらドバイ到着。久しぶりに爆睡。

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Wine tasting party at Aranysárkány Vendéglő in Szentendre

30/9/2017(Szentendre)
ワインの香りはセンテンドレの夜を幻想世界へと誘います。30年続くセンテンドレの名店で、カラーチョニ・ヤーノシュ氏がエレキギターではなく包丁を振る舞い、ワインに合わせたコース料理が出されました。この時期にワインの試飲会は至るところで開催されますが、本日提供されたのはバラトンフェレドのFigula。トップクオリティを保ち続けるための配慮と愛情が、黄金の雫となって私たちを至福に導いてくれました。ウィーンでは嵐の異名を取るシュトゥルム(ワインになる前段階の発酵中の葡萄酒)、そして最後はパーリンカで締めてこそ、ハンガリーです。すばらしい友人ホルヴァート・イシュトヴァーンにありがとう!
http://www.aranysarkany.hu

 
 
 
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Good friends in Kecskemét

3/9/2017(Kecskemét)
久しぶりにケチケメートを訪ねました。レスリングの英雄だったコヴァーチ・シャンドール・パール(1937-2017)を偲んで、弟で偉大なる詩人コヴァーチ・イシュトヴァーン・ヨージェフ夫妻の家で午後のひと時を過ごしました。今回はお墓参りが目的でしたが、到着と同時に地元新聞のインタビューも用意されており、ケチケメートとの繋がりやハンガリーでの音楽活動について話しました。イシュトヴァーンの奥様ナジ・エーヴァさんも大詩人ですが、2年前に彼女から受けたMontázsmagazinのインタビューが本になってまとめられており、そのことにも大変驚きました。かけがえのない友人との豊かな時間がケチケメートにはあります。

 
 
 
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New York Cafe in Budapest

1/9/2017(Budapest)
マスタークラス最終日。さすがに昨日の疲れが残っており、熱中症になったスタッフたちの体調も心配ですが、私が倒れてはどうにもならないので、カフェ・ニューヨークで朝食をいただき、リフレッシュ&エナジー注入。
http://www.newyorkcafe.hu

 
 
.01 2017 海外漫遊 comment(-) trackback(-)

Boat Cruise on the Danube

30/8/2017(Budapest)
ドナウのナイトクルーズは、お世話になっているスタッフや生徒と一緒に。夏のバカンスシーズンなので船の窓ガラスは全部取り除かれており、中世の面影が幻想的に浮かび上がるパノラマビューを独り占め。1000年もの歴史が横たわっています。

 
 
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Good morning from Budapest!

29/8/2017(Budapest)
おはようブダペスト! 今日からヴァーツに通勤です。

 
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Auf wiedersehen, Schweiz!

27/8/2017(Luzern)
さよならルツェルン!

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Richard Wagner in Tribschen

27/8/2017(Tribschen)
ワーグナーの愛がこの地に息づいています。私が亡くなった折は、この邸宅で初めて響いた『ジークフリート牧歌』を流してほしいと常々思っています。
http://www.richard-wagner-museum.ch/

 
 
 
 
 
 
 
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Rosengart Collection Lucerne

26/8/2017(Luzern)
バルセロナでもパリでもなく、ルツェルンにピカソの膨大なコレクションがあるのは意外かもしれませんが、ジークフリート・ローゼンガルトとアンジェラ・ローゼンガルトの2代にわたるピカソとの親交が多くを物語っています。ローゼンガルト家はユダヤ系ドイツ人の画商で、1920年代にスイスに移住して以来、そのコレクションは膨大なものになり、結果としてヒトラーによって頽廃芸術の烙印を押された絵画をルツェルンで守ったことになります。旧スイス国立銀行の建物を改築して2002年に開館されたローゼンガルト美術館は、地下がパウル・クレーのためのスペースになっていますが、これほどまでにクレーの作風の多彩さを実感させるコレクションは初めて。ローゼンガルト家と友情を交わした画家にシャガールもいますが、彼の使っていたパレットはそれ自体がミクロコスモスになっており、夢の世界の源泉を感動をもって見ました。他にもブラックやモディリアーニ、マティス、シャガール、ミロといった20世紀を代表する名画を満喫。胸がいっぱいになるとお腹が空くもので、美しいカペル橋を渡り、旧市街の河岸に立つ老舗ホテル・デ・バランスでランチ。
http://www.rosengart.ch/de/

 
 
 
 
 
 
 
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Pilatus (2,119 m) in Switzerland

25/8/2017(Kriens)
Luzern - Alpnachstad by boat
キリストの処刑を宣告したローマ総督ポンティウス・ピラトの亡霊がたどり着き、誰かが山に登ろうとすると嵐を起こしたという伝説から、中世までは登山が禁止されていたピラトゥス。ルツェルンから船で1時間強、ピラトゥス南麓の街アルプナッハシュタートに着きました。氷河によって削られた絶壁は、自然が作り出した芸術作品。

 
 
 

Climbing by Pilatus Bahn, the world's steepest cogwheel railway
アルプナッハシュタートからは世界一の急勾配(48°)を昇るアプト式鉄道に乗りました。スイスで3番目に古い1889年創業の鉄道は、30分にわたり勾配率480%を保ちながら走るわけなので、眼下の景色が遠くなるほどスリリングで、3,000m級のアルプス連峰が同じ目線に現れてきます。耳を澄ますと斜面からカウベルの音が聞こえてきて、この険しい地でさえ人間にとっての恵みであることを教えられます。ピラトゥス山頂まであと一息。

 
 
 
 

ピラトゥス・クルムからは徒歩で登り、エーゼル峰の山頂に立つと360°のパノラマが広がります。フィアワルトシュテッター湖の後景としてベルナーオーバーラントの峰々が聳え立ち、そのアルプスの銀峰からは谷を渡る風に乗って崩れ落ちる氷河の音がここまで聞こえてきそう。眺望絶佳。眼下に広がる緑色の絨毯は、森を開拓して、氷河が置いていった石を取り除き、畜産するために育ててきたアルプ(牧草地)です。絶壁に立つシャレーにこもり、バターやチーズ作りを生業にしてきた牧人を想うと、厳しい自然と折り合いをつけながら生きてきたスイス人の勤勉さや知恵、逞しさやユーモアの所在が見えてきます。

 
 
 
 
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Zürich in the gloaming

23/8/2017(Zürich)
波食棚の水面が黄昏色に染まる頃、チューリッヒに着きました。光と闇がバロック絵画におけるキアロスクーロのようにコントラストを強めるほど、2年前の夏に歩いた道が克明に思い出され、足の裏から熱を帯びてくるのを感じます。この街に生き続ける私の静かな記憶。

 
 
 
 
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Via Helsinki

23/8/2017(Helsinki)
ヘルシンキで乗り継ぎ、チューリッヒに向かっています。後半は仕事を兼ねますが、遅ればせながら夏のバカンス。フィンランドのブランドでスモークウナギがあるのですが、ドライな白ワインとの相性も抜群なので、ホームパーティー用に持ち帰ります。ヘルシンキ滞在は来月末の楽しみに取っておきます。

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A good time with Taiwanese and Japanese staffs

14/7/2017(台北)
今回のイベントでご一緒させていただく謝世嫻(Sherry Shieh)さんを交えて、日本と台湾のスタッフの顔合わせ。1ヶ月にわたり台湾のクラシック専門FMで私の演奏が放送されていたそうです。シェリーさんは台湾を代表する著名な音楽家で、共演が楽しみです。明日は日本と台湾が一つになりますように。

 
 
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Between Japan and Korea

30/6/2017(Seoul)
「隣国同士が理解したためしはなかった。かれらはお互いに隣国の妄想と悪意とをいぶかしく思っていた」というニーチェの格言は、一番近い国が、実は一番遠い国であることを物語っています。それでありながら、隣国とはやはり合わせ鏡の宿命を負っているもので、よく見て、よく聞いて、よく感じ取ろうとすると、ソウルの「今」が少しずつ見えてきます。通い始めて10年が経ちました。

 
 
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My good old times

28/6/2017(Seoul)
気取った場所は好きなのですが、気取ることは身についていないので、プライベートでは雑多な路地裏へと足が向くことがほとんどです。台北では師大夜市、クアラルンプールではブギッ・ビンタン、バンコクではカオサン通り、シンガポールではジョホールに出やすいエリアに安宿を取り、20代は思う存分歩きました。サソリが出る寝所もありましたし、食あたりは何度も経験しました。無類のタチウオ好きにとって、南大門市場のタチウオ横丁は最高の贅沢が満喫できるところですが、その並びに店を構える「ソウル参鶏湯」の味は、お金も身分も全くなかった頃を思い出させてくれ、甘い郷愁を持って初心に帰ることができます。謂れのない誹謗中傷が吹き荒れ、不条理や不義理を旨とする人たちと付き合わなければならないことが多くなりましたが、人はそう簡単に変わるものではないので、私自身も剃刀のように生きてきた20代を取り戻したいと思います。強くなるためにも、20代のうちは存分に旅をして下さい。

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See you my dear friends and Budapest.

3/4/2017(Budapest)
2週間弱のブダペスト滞在が終わりました。日本にいる時より忙しく感じられる毎日でしたが、ハンガリーの大切な友人たちに会うことができて、豊かな時間を過ごすことができました。8月下旬、ヴァーツでのマスタークラス&フェスティバルのために再訪します。

 
.03 2017 海外漫遊 comment(-) trackback(-)
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特別企画「フィギュアスケートを彩るクラシック」にて執筆しました。また、ベストドレッサー賞の授賞式における演奏についてレポート取材が掲載されています。
 

金沢でのMusic Batonについてレポート取材が掲載されています。
 

2016年の新譜CD《そして鐘は鳴る》(キングインターナショナル)です。
 

初執筆のエッセイ本《赤松林太郎 虹のように》(道和書院)です。
 

表紙&巻頭インタビューが6頁にわたり掲載されています。
 

導入期のペダリングについて執筆しました。
 

特別企画「私のピアノ黎明期」にて、幼少時代(写真付)のことを執筆しました。
 

飯田有抄さんにモデルレッスン生を務めていただき、対談形式でレッスンの様子が6頁にわたり掲載されています。
 

誌上講座にてシューマン作品の指導法「ポエジーこそがシューマンの魅力であり演奏の難しさでもある」を執筆しました。
 

2014年の新譜CD《ピアソラの天使》(キングインターナショナル)です。
 

「きものMyStyle」拡大版で掲載されています。


2014年の新譜CD《ふたりのドメニコ》(キングインターナショナル)です。
 

「闘うピアニスト・赤松林太郎のきもの語り」第4回が掲載されています。エッセイと共に、冬のコレクションをお楽しみ下さい。


「レッスン密着レポ」で5頁特集されています。


「闘うピアニスト・赤松林太郎のきもの語り」第3回が掲載されています。エッセイと共に、秋のコレクションをお楽しみ下さい。


「闘うピアニスト・赤松林太郎のきもの語り」第2回が掲載されています。エッセイと共に、夏のコレクションをお楽しみ下さい。


「闘うピアニスト・赤松林太郎のきもの語り」という連載ページが始まりました。エッセイと併せて、私のきものコレクションそお楽しみ下さい。


男のきもの特集で「おしゃれ達人の『男』の着こなし」として1頁取り上げていただきました。


2010年の新譜CD《My dear Hungary!!》です。


等伯没後400年の2010年、彼の代表作『松林図屏風』に寄せたエッセイが「別冊太陽」(平凡社)で掲載されました。


別冊付録「プチ・モス」の表紙になりました。


メジャーデビュー公演前に、インタビューを全面記事で掲載していただきました。

[ MEMO ]

日刊スゴい人!
第402回(2011年7月15日配信/8月17日再配信)のスゴイ人!に取り上げていただきました。