29/6/2015(東京)「君は音楽が語っているのが聞こえないのか?」とコレルリは弟子に尋ねたそうです。メッサ・ディ・ヴォーチェが音楽を歌わせるとすれば、アーティキュレーションは音楽を語らせるもの。今日はバロック時代の舞曲を特集するのにあたり、実際のバロック舞踏をふまえるだけではなく、音楽との関係性やその演奏法について、レトリカルにアプローチしました。一を聞いて十を知ることはありません。百を聞いて一を知るのです。舞曲をここまでデリケートに扱ったセミナーは初めてだったので、梅村崇子先生(ピティナ市ヶ谷プルミエステーション代表)に良い機会を与えていただきました。
28/6/2015(東京)コンクールの結果というのは、当事者にとって悲喜こもごもでしょうが、どの瞬間でも音楽が苦しみにはならないでほしいと願っています。今日は新設されたグランミューズG級の審査でした。明日は公開講座で舞曲を特集するので、バロック時代のポシェット・ヴァイオリンがわりに、自分のヴァイオリンを持参します。
27/6/2015(さいたま)さいたま新都心で公開レッスンでした。10時から21時15分まで終日にわたり、主催下さった和幸楽器に大変お世話になりました。来年1月の受賞者コンサート(@彩の国さいたま芸術劇場)でのゲスト出演が決まっており、今日はステージでの再会を合言葉に、19名のコンクール指導に携わらせていただきました。
26/6/2015(東京)ジョルナイの食器に映える鮮やかな色彩と味わい。食べ慣れているはずのハンガリー料理なのに、旨味に品格があり、エッセンスだけをいただいているような高級感。それもそのはず、ハンガリー政府からの依頼で始められたというレストランで、ワインリストにはグンデルのものがずらりと並んでいます。「今までで一番小さな器で出てきたけど、父の作ってくれた次に美味しい」と家人が感動したグヤーシュは、余韻の深い一皿でした。義父の七回忌。
http://zsolnay.az-group.net
先日の公開レッスン&コンサート(ピティナ練馬光が丘ステーション主催)についてレポートが掲載されました。東京にはまだ知らないホールがたくさんあります。今回のIMAホールは美しい反響が印象的でした。次回は年末のピアノステップでお世話になります。
http://branch.piano.or.jp/nerima-hikarigaoka/column/2015/06/24_009096.html
21-22/6/2015(東京)4か月前に始めた頃は想像もしませんでしたが、浜松町ベヒシュタインサロンでの特別レッスンはほとんど道場破りの様相で、精いっぱいの大曲を持ってくる受講生がこれでもかと続いています。ご存知の方は多いでしょうが、レッスンでは私も一緒に弾いています。知らない曲がある、あるいは弾けない曲があるというのは、私にとって最大の恐怖なので、それに耐えられなくなった時が引退だと考えています。今日は『ラ・ヴァルス』で始まり、『イスラメイ』で終わりました。一緒にがんばりましょう!
21/6/2015(東京)コンクールシーズンは佳境を迎えていますが、そんな時だからこそ、音楽が本来持っている美しい姿を見失わないよう、様式美を堅持して、構成を作り上げ、音の粒を磨き抜き、パッセージを鍛え上げてほしいと思います。素晴らしいホールとフルコンサートサイズのスタインウェイだから得られる、空間の芸術とその神秘を、今晩は共有することができました。公開レッスン&コンサートをピティナ練馬光が丘ステーション(代表・鎌田裕子先生)に主催していただきました。
20/6/2015(西宮)今日も限界までタイムテーブルが組まれており、ほうほうの体で最終の新幹線に飛び乗りました。「日にちは何ぼでも言うて下さい」とのことで、下半期は4回、来年度上半期は3回の特別レッスンを開催いただきますので、どうぞお問い合わせ下さい。このサロンでも使われているヤマハ製の調音パネルが優れ物で、新居の防音室に入れたところ大正解でした。新響楽器には公私共にお世話になっております。
18-19/6/2015(三田)コンクールの結果以前に、悔いのないレッスンができるかどうか。ブレやメヌエットのような小品を教える時ほど気を使います。音の強弱といっても質感は様々、そして拍感は舞曲を決定づけるもの。例えばプリエ→エルヴェ(ドゥミ・クペ)の舞踏ステップを実演して、アウフタクトから拍頭へのパルスを感じてもらえると、演奏はすぐに変わります。
17/6/2015(神戸)ブダペストまでコンサートを聴きに来て下さったIご夫妻と、遅れ馳せながら打ち上げ@神戸(腐れ縁の会)。鮮やかな色彩と味のコントラストは大胆にして繊細極まる仕事ゆえ、ステージの大小に関わらず、料理も音楽も同じ闘いなのだと感じ入るばかり。新居が落ち着いたら、家人の主宰によるワイン会(J's Bar)を随時予定したいと思います。気がつけばわが家のワイン・洋酒も数百本。
16/6/2015(神戸)雨が降り始まる前に、新居に2台のピアノが運び込まれました。出来上がったばかりの防音室で楽譜と本を並べ始めたので、あと千枚単位のCDが揃えば、〈音楽棚〉はほぼ完成。シプリアン・カツァリスの演奏をBGMにしていますが、70年チャイコフスキー国際コンクール(当時19歳!)と72年エリザベート王妃国際コンクールのライヴ録音は怪物覚醒の瞬間です。2台目のピアノはカワイ製で、スピネット型のアップライト。古趣を醸し出す音色が魅力的です。パリ留学中はアパルトマンにアップライトを2台置いていました。ミケランジェリを真似たと言われそうですが、私も縦型ピアノゆえの音色が好きなのです。近いうちに調整してもらい、バロックやロココの小品を収録してみたいと思います。来年からはパリの古書街に埋もれ、コンサート通いができる毎日を夢見ています。
13-14/6/2015(札幌)先月の休講がかなり影響して、今月は単発生を含めて26人という札幌での特別クラスですが、2日目はホールでレッスンさせていただいたので、コンクール直前の有意義なリハーサルになりました。強い・弱いの音量だけで演奏するのではなく、弱音のみでも多彩な音色が出せるように、発音の瞬間の、ピアニストの指先の感覚を伝える良い機会になりました。
12/6/2015(札幌)しばらく感じたことのなかった身体の軽さ。朝の清冽な風を受けながら、学校まで歩いて行きました。今日は札幌大谷中学校・高等学校で音楽科の学生を終日レッスンしましたが、会うたびに人間的な成長を音で聞くことができるので、年5回とはいえ指導の機会をうれしく思っています。
11/6/2015(札幌)キワニスクラブは1915年にデトロイトで設立された国際奉仕団体。その札幌地区のチャリティーコンサートは、今回で5年目(出演も5回目)。札幌で公私共に応援下さっている一業種一企業の名門クラブだけに、今日も親睦を深めさせていただきました。過去最大の集客にも恵まれ、皆様には大変お世話になりました。
http://www.sankei.com/region/news/150611/rgn1506110084-n1.html
10/6/2015(室蘭)東室蘭21:34発(終電)。今月も鉄鋼の街でピアノの灯が夜遅くまで照らされました。レッスンをしている間にアイデアが閃くというのは、誰しも経験することでしょうが、私の場合はリサイタルのプログラムが決まる瞬間。9月はミラノで初リサイタルです。
さいたま6月地区(さいたま音の葉ステーション)のピティナ・ピアノステップは、永瀬まゆみ先生のご遺志を継がれた方々のすばらしい運営で、思い出に残る1日になりました。
http://branch.piano.or.jp/saitama-otonoha/column/2015/06/10_009036.html
熊本では4か月にわたり〈四期〉講座を務めさせていただいています。古典派はハイドンが交響曲第1番を書いた年から突然始まったわけではありません。バロック時代の前にルネッサンス期があったように、ウィーン古典派はバロック趣味を受け継ぎ、趨勢する時代の変化に合わせて、新しい様式を生み出した時代です。継承と発展、この2つのムーブメントをとらえることで、〈四期〉がより鮮やかに浮かび上がってくるはずです。ヤマハ横浜店でも10月開講予定(全4回)。
http://branch.piano.or.jp/kumamoto-kinasse/column/2015/06/10_008999.html
10/6/2015釧路6:26発(始発)。車窓からでさえ雄大さと懐の深さが感じられる北海道の大自然。緑色に燃えています。無伴奏チェロ組曲をポール・トルトゥリエの演奏で聴いていますが、第6番のプレリュードはまさにバッハによる大地礼讃。トルトゥリエの凄まじい弓圧が生む倍音の渦で、大地は轟音を立てているよう。そしてスナップのきいた3の指による、トルトゥリエらしいビブラートとフレーズの遊戯。
8-9/6/2015(釧路)先月の休講で不安たっぷりの道東エリアでしたが、根室と釧路の予選を無事に終えたレッスン生が、地区本選に向けて続々と集ってきました。今日は久しぶりに午前中が空いたので、古本屋にこもりました。おかげでくしゃみが止まりません。読みたい本が読まなければならない本になり、同じように、書きたいことが書かなければならない原稿になっている今日。ドミノ倒しのように締切に追われています。
7/6/2015(さいたま)ピティナ・ピアノステップのさいたま6月地区(音の葉ステーション)でアドバイザー&トークコンサートを務めさせていただきました。4月の課題曲セミナーに引き続き、音の葉研究会の皆様には大変お世話になりました。「優れた生徒は(聞くのではなく)聴くことを知っている者」と言ったのはジョゼフ・レヴィーンです。美しい音色で表現力を備えた多くの演奏に触れ、永瀬まゆみ先生が偲ばれました。