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Twilight in Heiligenstadt

2019年8月27日(Wien, Österreich)


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 いつものように思い立ってハイリゲンシュタットに向かい、青い実をつけて美しい行列を見せる葡萄畑をかいくぐり、少しずつ茜色を帯びてくる夕暮れ時を歩きました。夏も終わりに差しかかる頃、名残のように照りつける太陽から緑の天蓋が私たちを柔らかく覆ってくれるBeethovengasse。時間と人が静かに往来する小径。
 遺書の家からわずかなところに立つ聖ミヒャエル教会は、空が最も美しく見える場所だと思っています。雲のある景色の方が好きですが、鐘が音を変えながら鳴る時、空も呼応して色を変えるのです。ここでは田園交響曲が永遠に響いているので、失いかけたものを取り戻すことができます。耳を失ったベートーヴェンは、私たちが耳を失わないために生き続け、最後の瞬間まで善のために作品を残した人。彼の遺書は私たちへの大いなる癒しだったのですね。


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