TMSO with Kristjan Järvi at Suntory Hall

18/5/2016(東京)
外の世界を覗いてみたい年齢になった時、私はヘッドフォンの中でリヒャルト・ワーグナーとスティーヴ・ライヒを往き来していました。ちょうど『ディファレント・トレインズ』が日本に入ってきた頃でしょうか、YMOで馴れた耳にはあまりに衝撃的で、拍感のない単調なリズムの中でわずかな位相ズレを起こしながらセクションを形成していくフェイズ・シフティングに、脳は飲み込まれるような快感を味わっていました。クラシック音楽の思想的様式や道徳観を見事に蹴散らし、同時代というものを体感させてくれたのが、ライヒでありフィリップ・グラスでした。同時代を生きているという所属意識は、何かを考えたり行動したりする時に便利に働きます。混沌の中では磁針となり、漠然ながらも向かう方角を示してくれます。ですから、彼らがなぜ最小単位の作曲語法にこだわったのかを検証するよりも前に、私たちはその圧倒的なパルスから(薄々と)何らかのメッセージを感じ取ってきたわけです。その点でライヒと1歳差のアルヴォ・ペルトは、同じ前衛の時代を駆け抜けたとはいえ、ミニマルがパルスにはならず思想的に響くので、やはりヨーロッパという伝統に帰属する音楽家なのでしょう。いずれにせよ、すべては過去の話です。60年代から吹き荒れた前衛の時代は終わり、存命あるいは没後の作曲家も今生きているのは現在という時代ですから、東京都交響楽団が取り上げた今晩のプログラムは「古典」(クラシック)ということになります。クリスチャン・ヤルヴィによる渾身の歴史的快演でしたが、ざわめいた心も一晩経てば、明日の感動に取って代わられるのが、現在の都会で生きるということ。毎夜のように手を替え品を替えて回っているのが東京ですから、ここは砂漠のようなすごい街です。
http://www.tmso.or.jp/j/topics/detail.php?id=1028

 
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.18 2016 諸藝雑記 comment(-) trackback(-)

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