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Summer Masterclass at Wako Music Academy in Saitama

2019年7月14日~15日(さいたま)


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 さいたま(主管:和幸音楽院)でもマスタークラスが設立され、4月からクラス生のレッスンが始まっています。入会ご希望の方が多く、9月からの下半期はジュニア科・受験科ともに定員を増やす運びとなりました。ジュニア科に限って聴講可能ですので、案内(http://wako-gakki.co.jp/archives/2682)をどうぞご覧ください。
 この2日間はクラス生に限定しない公開レッスンを開催いただき、ピティナ・ピアノコンペティションにエントリーしている42名を指導しました。コンクール直前の単発レッスンは庭の剪定と似た仕事なので、過剰になった部分をよい形に導くことに徹するよう心がけています。決して私のスタイルに作り直す作業ではありません。一方、無表情に思われる演奏でも、本当は何もないのではなく、表情の出し方を技術として教わってこなかったケースがほとんどで、分厚い角質の中に色味や質感が埋もれているだけだったりするのです。表現するための蓋を開けてあげるのも大事な仕事の一つです。
 ただし、どうしても「手取り足取り」伝えなければならないのがペダリングです。ショパンのエチュードもそうですが、ドビュッシーともなるとピアノの下に潜ることを厭わず、両手を使って学生たちの両足に技術を伝えなければなりません。その時だけは親鳥になってひな鳥へ口移しで給餌する気分です。
 「ペダルを耳で踏みなさい」という慣習的指導は、その言葉掛けからして意味の体を成しておらず、学生にとって決して有益ではありません。どの製品にも取扱説明書があるように、ペダルを使い始める際はピアノの構造からペダルの役割をきちんと理解して、その用法を楽曲分析と共に学んでいく必要があります。楽器の変遷を経てロマン派に入ると、美しく濁らせるためのペダリングが求められます。ちょうどコーヒーやワインが巧みなブレンドによって生み出されるのと同じで、非和声に働く音をどのようにペダルで含んでいくのかが美しさの鍵を握ります。ペダリングを追求するほど、鍵盤のタッチングにも意識が及ぶようになるので、私はペダルを使い始める幼少期からこのようなことをしっかり伝えるように努めています。多彩なペダリングの全容がつかむために、ヘルムート・ブラウス著《ピアノを歌わせる ペダリングの技法 ー「いつ踏むか」ではなく「どう踏むか」 》は良書。

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